2016年07月02日

日本で最も生きづらい都市の一つ、東京。 争点は何か? (副代表 内田聖子)




日本で最も生きづらい都市の一つ、東京。 
争点は何か?
(副代表 内田聖子)



 いま、子どもたちの間では「マスゾエル」という言い方がひそかに流行っているという。いわく、「カネに汚く、ケチ」であることを指す。「お前、マスゾエってるな!」とか子どもたちがふざけているかと思うと、大人として、都民としてはもう恥じ入るしかない。

 3年間で3回も都知事が変わる、しかも2回はカネの問題での辞職という前代未聞の都知事選。その争点は、何だろうか。

 オリンピック問題、保育園問題、福祉、雇用、中小企業支援、女性の活躍……挙げればきりがない。それら個別イシューの根本には、経済全体の方向性がある。規制緩和と大企業優先の施策──この数十年間、世界で日本で推し進められてきた新自由主義政策をさらに進めるのか、それとも暮らしや地域経済、環境を大切にした経済モデルをめざすのか、という選択だ。

 東京という自治体は、どこよりも豊かでカネがある。しかし同時に、貧困層も多く、日本で最も生きづらい都市の一つでもある。格差の大きな自治体でもある。

 低成長時代に入った日本の中で、アベノミクスのもとでTPPや国家戦略特区などの徹底した規制緩和や大企業優先のルールが敷かれようとしている。しかしこんなことをやっても日本の経済成長は上向くことはなく、貧困や格差がより増加する。海外投資が多少増えたところで、庶民の暮らしはよくはならず、東京には見せかけの好景気が生まれるだけだ。金融・投資のさらなる自由化は予期せぬ金融危機を再び引き起こしかねないが、TPPのルールによって国民生活を守る規制措置はとりにくくなり、私たちの生活は大きな打撃を直接受けることになる。

 日本という国がこうしたグローバルな大企業優先の方向へ向かう中、東京の選択は実に大きい。新自由主義を推進する官僚や政治家は、規制はすべて悪、ぶっ壊せと主張するが、私たちの暮らしを守るためのセーフティネットとして必要な規制は確実に存在する。例えば米国の大都市ニューヨークは、国の進めるTPPに反対し、「TPPフリーゾーン自治体宣言」を出している。大企業の利潤よりも人びとの暮らしや雇用を優先すべきという判断からだ。フランス・パリ市は一度水道サービスを民営化したが、料金高騰やサービスの質の悪化などから再公営化を求めている。これら世界の主要都市は皆、何でも規制緩和して市場に放り込めばうまくいくのだ、という新自由主義の流れに「NO」を突きつけ抵抗している。なぜならそれは、何世代も先の時代を見越して、人間や地球環境にとって持続的な経済ではないからだ。

 都知事選で問われるのは、こうした大きな経済政策であり、その上での個別の政策だ。外資や大企業から回ってくるおこぼれを期待する時代はもう終わっている(決しておこぼれは回ってこない)。今度こそ、未来世代に恥ずかしくない、責任ある選択をしなければならない。

posted by チームうつけん・ナオカ at 11:21| 談話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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