2016年07月01日

Report「オリンピックでカジノを推進!?」 カジノは、不幸を売るビジネスである


 カジノ解禁法案成立を目指す、国際観光産業振興議員連盟(IR議連)。
 新聞の世論調査でも60%の人びとが反対しているにもかかわらず、
 東京五輪までには何が何でもカジノを開業するぞと突進する様は、
 すでにカジノ中毒の様相。

 カジノの儲けとはいったい何か──。
 それは負けの総体。
 カジノの売り上げが上がれば上がるほど、
 損をする人(餌食)がいっぱい出るということ。
 つまり、カジノは、
 不幸を売るビジネスであるということ──。

2014年9月20日に文京区民センターで開催された、
第4回希望政策フォーラム「どうする!?東京オリンピック」から、
カジノの問題を取り上げます。
講師は、新里宏二さん(弁護士)、古川美穂さん(ジャーナリスト)、宇都宮けんじ(弁護士)です。
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【1】新里宏二(弁護士)

○───アベノミクスとは何か。

 安倍内閣は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、海外からの観光客拡大を目指しています。2013年には海外から日本を訪れた観光客が1000万人を超えましたが、それを倍増させることを目標に掲げています。

 そしてそれをもっとも後押しするのがギャンブル、「IR」(統合型リゾート)であると。IRとは、カジノだけでなく遊技場があったり、会議場があったりホテルがあったりと総合した施設です。「博打」と言えばいいものを、「IR」などと言ってごまかし、それが観光の目玉になるということで進められています。

 IRはシンガポールで2010年に始まりました。シンガポールには二つのリゾート、IRがあります。マリナーズベイサンズと、セントーサというところで、私も8月に見てきました。

 そのうちの一つセントーサ島にあるセントーサカジノには平日に行ったのですが、特に驚いたのは、観光バスがどんどん入ってくる。そのバスに乗っているのはなんと高齢者ばかり。セントーサの入り口を入ると、左手にカジノ、右手がアミューズメント施設になっています。正面は国際会議場。海外からの客はパスポートを示し、国内の人はIDカードを示して入りますが、そのほとんどは中国系でした。シンガポールは人口の73%の人が中国系です。

 カジノの2階から1階のフロアを眺めてみました。映画のように、ピカーッと華やかで格好いい光景が広がっているのかと思ったら、2割か3割しか客は入っていなくて、60代〜70代の男女が無言でチップをはっているという状況でした。シンガポールの街中ではヨーロッパ人観光客も見かけましたが、カジノにはほとんどいなかった。とても入れる雰囲気ではありませんでした。

 もう一つのマリーナベイサンズカジノは、タバコの臭いが強烈で、なんだか場末の賭博場という感じでした。こちらもセントーサと同じく、高齢者がただただチップをはっていました。

 安倍首相は、「岩盤規制にドリルで穴をあける」と盛んに言っていますが、アベノミクスとはつまり、日本を世界で一番、企業が活動しやすい国にするということです。カジノについては、米国も明らかに賛成しており、ラスベガスのカジノ企業MGMリゾーツ・インターナショナルは、日本でカジノが解禁されたら5000億でも1兆円でも投資すると大見得をきりました。

 では誰がカジノにカネを落とすのか? カネを落とす海外の人とは?
 シンガポールやマカオのカジノで一番カネを落としているのは、中国人の富裕層と汚職(で儲けた)公務員です。

 ただ、彼らもそう頻繁にシンガポールやマカオまで来るわけではありません。そこで登場するのがジャンケットオペレーターという仲介業者(顧客を斡旋し、客への信用貸しや負債の回収を行ったりするツアー業者)。彼らがカジノと裏取引をして引っ張ってくるから、わざわざ中国からシンガポールまで客が来る。2015年にはマカオのコタイにまた新しいカジノがオープンするようで、中国人富裕層の取り合いになっています。

 では日本でカジノを作った場合、確実にアテになるのは何か。
 それは160兆円という日本の個人資産です。カジノを推進する日本ゲーミング学会は、「高齢者のタンス預金がなかなか市場に出回らない。カジノができて、高齢者のタンス預金が出回れば景気を刺激する」なんてことを言っています。しかし、これが果たして経済活性化と言えるのでしょうか。

 お台場にカジノができたら全国からお台場観光バスツアーが押し寄せて、勝った人がお金を落としていくかもしれませんね。大型施設ですから、また鹿島建設が絡んでくるかもしれません。建築ラッシュにゲーム機器の需要……。雇用の機会が増えると言っています。

 ところがいま、マカオで何が起きているか。
 マカオではいま、カジノ労働者による賃上げや待遇改善などを求めるデモが頻繁に行われています。アベノミクスとは何かといったら、企業が儲かり、労働者にしわ寄せがいくシステムです。そんな中でのまともな雇用なんて、ないでしょう。

○───カジノ最大の負の影響はギャンブル依存症

 カジノの負の影響は何か。
 それはなんと言ってもやはり、ギャンブル依存症です。先日厚労省が発表したデータでは、日本のギャンブル依存症は人口の約5%、536万人で、アルコール依存症の5倍です。アルコール依存症は100万人でも多いと言われますが、それどころではない。こんなに依存症が多い国はほかにありません。

 オーストラリアが人口の2%台で米国のラスベガスが約1.8%です。なぜ日本はこんなに依存症率が高いのかといったらそれは、のべつまくなしにパチンコをやらされるからです。男女の比率は、男性が8.7%、女性が1.8%でした。アメリカは女性の比率が1.58%、オーストラリアは男性が2.4で女性が1.7です。

 賭博は、刑法185条以下で処罰の対象とされています。日本では太古の昔から、持統天皇のあたりから、賭け事に興じて人身が崩れてしまうからということで賭け事を禁止してきたという歴史があるようです。競馬、競輪、競艇などは公設で解除してきましたが、カジノ運営は刑法で禁止されています。

 「カジノ解禁推進法案」(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)は、認定区域内において民間業者に民営カジノの営業を許可しようという法案です。それには正当な理由がある、地域活性化、経済活性化のためと言います。

 ではギャンブル依存症の問題はどう解決するのでしょうか。多重債務の問題、青少年への影響、犯罪の増加は……? 「カジノ解禁推進法案」の10条にも、暴力団の関与など、カジノの弊害が書かれています。しかしそれに対して何ら具体的な対応策は示されないまま進めようとしているのが現状です。

 カジノ解禁後の具体的な制度設計は、1年以内を目処として別に立案される「カジノ解禁実施法」(特定複合観光施設区域整備法)において決める。いまはとりあえず、ただカジノを解禁することだけを決めると、あまりに拙速です。弁護士36000人の加入団体・日弁連は、今年(2014年)5月に、廃案を求める決議をあげて安倍首相に意見書を提出しています。
 
 とりもなおさず言いたいのは、「儲かる」「経済効果がある」と言いますが、国会議員は誰ひとりとしてそんなことを検証してはいません。韓国にはカジノが17カ所にあり、そのうち16カ所は外国人専用です。1か所だけ江原(カンウォン)ランドというカジノだけが自国民向けのカジノで、2000年に開場しました。

 ところがいま江原ランドは大変深刻な事態に陥っています。ギャンブル依存症、犯罪や自殺の増加……。韓国ではカジノの売り上げが1兆6000億円で、それに対してマイナスの影響が7.8兆円。プラスマイナスすると、社会全体で6兆円以上のマイナスの効果であるという結論が、2009年に国の委員会で出されました。アメリカの研究者の中でも、同様の結論が出ています。日本は、深刻な依存症の問題、青少年への影響などを置き去りにしたまま、経済的にプラスという前提で話を進めています。

 私はこれまで、ギャンブル依存症で失敗してきている人たち──家族を失い、仕事を失い──といった悲劇をずっと見てきました。業者が儲かるからといって、人の犠牲の上に成り立つような商売は、この経済大国の日本で、あえて経済対策で実施するようなことですか?

 “おもてなし"で取った、オリンピックにあわせて解禁する──。
 アベノミクスは、とにかくカネ、カネ、カネ、の世界であって、その中で人権が無視されています。

○───パチンコ関係大手がオリンピックスポンサー

 大手パチンコ機器メーカーは商機を狙っています。地方の弱小メーカーの中には、パチンコ客をカジノに取られてしまうのではないかと逆に反対しようという人もいました。

 パチンコはどう考えてもギャンブルですが、なぜか認められています。それは3店方式と言われるもので、客はパチンコで得た玉を店内で景品に交換し、その景品を店外の換金所で現金に換金する。表向き、パチンコ店と換金所はまったくの無関係であり、よってパチンコは「賭博ではない」という暗黙の了承でやっているからです。

 自民党はいま「パチンコ税」創設の話を進めています。安倍首相は法人税を下げると言いました。そうすると税収も減税になってしまう、その財源をどうするかという話になったときに出てきたのがパチンコ税です。

 パチンコの売り上げは19兆円(2012年)ですので、例えばパチンコ税を1%としたら、それだけで1900億円。いま「遊戯」の扱いとなっているパチンコを「ギャンブル」と位置づけて、顧客に換金時にパチンコ税と消費税を課税すればいいという話です。

 反対陣営の押さえ込みと税収の二つを狙ってきた。進めているのは自民党の細田博之議員ですが、彼はまたカジノ議連の会長でもあります。パチンコ業界の反対を押し切る算段をして、パチンコ課税をしようとしているのではないかというのが、私個人の見解です。

 パチンコ機メーカー大手トップ3のセガサミーは、宮崎の大型リゾート施設「シーガイア」を経営していたフェニックス・シーガイア・リゾートが経営破綻したあとそれを買い取って子会社化しましたが、いま、そこにカジノを誘致しようとしています。

 ちなみに、そのセガサミー会長の娘が結婚したときの披露宴の主賓は安倍首相だったようです。
 セガサミーはまた韓国でも、カジノ業界に資本参加をしています。

○───米国でカジノが次々と破綻

 ところが最近は米国でも、意外に面白い動きが出てきました。東部ニュージャージー州のアトランティックシティーでは、カジノがどんどん倒産していて、過当競争でペイしないということが明らかになってきました。

 ニューハンプシャー州ではカジノ合法化法案が否決されました。カジノにより税収はいくら上がるか、マイナスの影響は何か、正確なデータを算出して、それを元に州議会で議論した結果です。そういったことが、日本にも伝わってくるであろうと期待しています。

 カジノの儲けとはいったい何か──。
 それは負けの総体、損した分の相対がカジノの売り上げです。
 カジノの売り上げが上がればあがるほど、損する人がいっぱい出る。
 カジノは、不幸を売るビジネスです。

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【2】古川美穂(ジャーナリスト)


○───ギャンブル依存症は疾病である

 日本には536万人のギャンブル依存症と疑われる方がいる──非常に衝撃的な数字でした。アルコール依存症は109万人ぐらいと言われていますので、それに比べてもかなり深刻であることがわかります。

 なぜそれがこれまで表に出てこなかったのか。それにはいくつかの理由が考えられますが、その一つは、日本ではギャンブル依存症は「病気」であるという認識がなく見過ごされてきた。ただのギャンブル好き、あるいは本人の意志が弱いといった形で見過ごされてきたという歴史があります。

 依存症というそれ自体が「否認の病」で、自分が依存症であるということを認めたがらないという特徴があります。依存対象に対してコントロールが効かなくなるという病気であって、もはや本人の意思力では止めることができない。治療しようという段階になっても、本人が避けて治療の場に表れることもない。

 酒やドラッグなら、ある程度進めば外見や症状から健康を害していることが発覚しますが、ギャンブル依存症の場合は身体に症状が出ることはあまりない。借金で首がまわらなくなって、離婚や失業、場合によっては会社のお金を横領するとか、そういったところまでいかないと、なかなか表に出ません。大王製紙の井川意高元会長がカジノのギャンブルで100億円以上損をして、子会社からカネを借り入れて損害を与えたとして捕まりました。いま実刑判決で服役中ですが、典型的なギャンブル依存症の一つの結末の形と言えます。

 ギャンブル依存症により引き起こされるのは犯罪だけではありません。人も死にます。自殺率も高い。またそれだけでなく、パチンコ屋の駐車場にお子さんを置き去りにして死亡させてしまうという痛ましい事故がたくさん起きています。今年の6月にも沖縄で、生後5ヶ月の男の子が熱中症により亡くなっています。お母さんが、重過失致死の疑いで逮捕されました。

 それは決して、親が子を虐待しようとしているわけではありません。ギャンブルを繰り返すことによる強い刺激によりドーパミンの代謝異常が起きて、脳の報酬回路に変調が生じている(依存の回路ができると、脳の奥深くにある扁桃体が司る「今すぐこれをやりたい」という衝動的報酬回路が強まり、逆に「これをするとどんなことが起こり得るか」と予測する前頭前野の思慮的報酬回路の働きが落ちる)。

 ギャンブル依存症はアルコール依存症と同じように、WHO(世界保健機構)も正式に認めている疾病です。完治することはありませんが、適切な治療・ケアを受ければ、「回復」可能な病気です。ただ問題は、回復につながる回路が少ないということです。ギャンブル依存症に関する医療機関が圧倒的に少なく、相談・支援体制もあまり整っていません。日本ではようやく厚労省が推定の人数を出したという段階で、肝心の予防にはほとんど手がつけられていません。

○───カジノを推進しているのは誰か?

 そんな状況であるにもかかわらず、カジノを解禁するということが、果たしてまともな政策と言えるのか。
 いま、国会でカジノ推進法を通そうとしているIR議連(国際観光産業振興議員連盟)というのは超党派で、社民党・共産党以外の200人の国会議員が名を連ね、最高顧問には安倍首相が就いています。

 それに呼応するように、いくつかの地方自治体が地域活性化、税収を当てにしてカジノ誘致に手を挙げています。IR型の大きなものを3カ所を含む全国10カ所が名乗りを上げています。有力とされている候補地は東京、大阪、沖縄で、その他、釧路市、小樽市、苫小牧市、秋田、幕張、横浜、熱海、名古屋、徳島、佐世保、宮崎などが誘致に動いています。

 東京はお台場か築地かと言われていますが、今のところ舛添知事がそれほど積極的な姿勢を見せていないので、横浜が優勢と言われています。沖縄では仲井眞知事が、辺野古新基地建設を認める代わりにカジノをやらせてくれと言ったと聞いています。

 その中で非常に活発な動きを見せているのが大阪です。橋下市長はもともと大のギャンブル好きでカジノ誘致にも熱心です。大阪湾にある埋め立て地の人工の島・夢洲(ゆめしま)にカジノをつくるという案が出ていて、海外からカジノ大手企業の幹部の方が、松井大阪知事に会いに来ているそうです。JR大阪駅から夢州まで鉄道を延ばそうというアイデアもあり、その建設費は500億円から3500億円と見積もられています。

 5月にカジノ・コングレス(ジャパン・ゲーミング・コングレス)という会議が東京の豪華なホテルで開かれました。イギリスのクラリオン社というイベント会社の主催で、日本は最後のカジノのフロンティアであるということで、海外からカジノ企業のトップが大勢参加していました。

 日本からはゼネコンや、カジノ誘致に前向きな地方自治体などが集まり、司会は博報堂。登壇したのはカジノ議連の岩屋毅幹事長や萩生田光一さん、小沢鋭仁さんなどでした。司会の方はしきりと、「オリンピックには間に合いますよね」「オリンピックには間に合いますよね」と言っていました(笑)。ここで決まらないとオリンピックに間に合わないと。

○───復興を口実に、被災地でカジノ

 震災直後、宮城県で「震災復興カジノ」というプロジェクトがありました。津波でほとんど流されてしまった仙台空港周辺にカジノをつくってほしいという地元住民の請願が市に出されましたが、その影にはパチンコ業界や建設業界の方の姿がありました。

 たったの3カ月間で署名集めが行われました。地元の被災者話では、復興に関する署名用紙が回ってきてサインをしたけど、もしかしたらあれがカジノのことだったのかな?」といった感じでした。まだ避難所となっている体育館に、マットを敷いて生活していたような頃の話です。

 その後、野田首相が「カジノはやるつもりない」と言ったので、カジノ誘致の請願話は中断。それがここにきて安倍首相が前のめりになり、先日もまた「復興のシンボルにカジノを」といったシンポジウムが宮城で開かれ、自民党の先生方がわざわざ出向いて出席していました。

 いまのところは村井宮城県知事は否定しています。しかし、宮城県は仙台空港を民営化する方針を打ち出していて、それに対する協力企業があまりカジノにいい顔をしていないということもあって、知事はあまり前向きな姿勢をとれないだけという話もあります。

 秋田県では20年くらい前から「イーストベガス」構想というのがあります。熊が出没するような場所にラスベガスのようなカジノをつくろうと、民間の方が一生懸命やっていました。いまは政治家、商工会まで巻き込み、かなり積極的に活動しています。

 しかし、知事が比較的バランス感覚のしっかりした方で、賭博で地域の活性はあり得ないと言っています。どの自治体でも、カジノを誘致して地域を活性化させたいという話は出てきます。しかし市民がよく勉強をして、「絶対に誘致はいやだ」と具体的にアピールすれば、上も影響を受けるはずです。

 みずほ総合研究所が「オリンピック経済効果シリーズ」というレポートを出していますが、その中でカジノによる経済効果は3.7兆円と見積もられると発表しています。ただ、カジノの経済効果というのはいろいろ試算されてはいますが、前提条件が違えば自ずと試算もまったく違ったものになってきます。とりわけカジノによるマイナス面がきちんと計算されていません。

 まともな議論もなされないまま、このような混沌とした状況の中でカジノが解禁されようとしているのは恐ろしく、あまりにも無責任です。リゾート法(総合保養地域整備法)の失敗に反省することもなく、なぜここまでギャンブル依存症が増えたのかをきちんと分析・反省もしない。政策もない。ひたすらオリンピックに間に合わせて、カジノをつくる。特定秘密保護法を押し込んだ時のようなやり方に、危機感を覚えざるを得ません。
 このままでカジノを解禁してしまったら、たいへんなことになるのではないかと心配しています。

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【3】宇都宮けんじ(弁護士)

○───とことん反道徳的・非倫理的な政治家

 多重債務者の中には、ギャンブル依存症になってしまうというケースが多くあります。弁護士は多重債務者の債務を減らす、あるいはなくすことを目的に相談を受けて活動するのですが、ギャンブル依存症の方は、借金がなくなるとまたギャンブルができるといって、のめりこんでいってしまいます。つまりは、借金を解決するということが、本質的な解決とはならない。依存症自体をなくさなければ、根本的な解決にはなりません。

 ギャンブル依存症の方の中には、自分だけでなく、親の財産まで使い果たして家庭崩壊させてしまったり、サラ金だけでなく犯罪に手を出す場合も出てきます。ギャンブル依存症というのは、本人は言うまでもなくも、家族をも巻き込み多大な迷惑をかけていく。それが深刻な病であると言えます。

 新里さんも言うように、負けで成り立つのがギャンブルです。人の不幸で成り立っている商売、これを認めてしまってはなりません。だからこそ刑法で賭博を禁止したのです。

 これまでも公営の競馬や競艇などがありましたが、それらの儲けは社会福祉などに還元するという理由のもとに認められてきた。しかし、ラスベガスなどカジノの事業者は民間業者であって、儲けるための商売、これ自体とんでもないことです。

 家庭崩壊や自殺、犯罪が増え、しかもその利益は、人の不幸の上に成り立つ。これひとつとっても安倍政権というのは、政治家としての倫理や道徳が問われなければなりません。犯罪でもって成長戦略の一環とする。原発を輸出して儲ける。武器輸出三原則も解禁しました。死の商人です。成長戦略の中味はまったくもって道徳的でなく、倫理的ではありません。とことん反道徳的・非倫理的な、いまの政治家を示していると思います。

 二宮尊徳は、「道徳のない経済は罪悪である」といっています。また、「経済のない道徳は寝言である」ともいっています。それは政治家だけではなく、経済界にもいえることです。原発や武器を輸出することについて、明確にブレーキをかける声が経済界から出てこない。それどころか、経団連は政治献金も復活させようとしています。

 賭博は禁止されています。それをいま、特別法をつくって例外的に一定の条件を満たした場合にに認めようというのがカジノ法案です。だから私たちは決して、例外を作らせてはなりません。法律を潰せばカジノはできない。法律ができても、各自治体の首長がOKしなければカジノは作れない。東京に関しては、舛添さんはやらないと言っていますが、たとえ法律が通っても首長にやらせない。それは自治体の住民の運動でできることです。

 まずはカジノを潰すこと。それがオリンピック招致に大きなダメージを与えることになるのです。


(2014年9月20日、第4回希望政策フォーラム「「どうする!?東京オリンピック」より)



posted by チームうつけん・ナオカ at 00:34| 政策の現場から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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